OpenMicroServer での USB VGAアダプタの利用について
はじめに
OpenMicroServerとUSB VGAアダプタを組み合わせて、小型の端末として利用する方法についてご案内いたします。 通常のPC端末のように、キーボード・マウスでの操作が可能となります。
「USB入出力機器(VGA,キーボード,マウス)で端末化」
用意する機器
- OpenMicroServer
- USB VGAアダプタ
海連「サインはVGA 青箱」 ※ 緑箱・白箱は未検証です - USB HUB (セルフパワータイプ … ACアダプタ給電タイプ)
USB VGAアダプタの利用には、セルフパワータイプのUSB HUBが必須です。
OpenMicroServerからのバスパワー給電では利用できません。 - USB HDD 又は CF
1GB以上のものを推奨します。
アプリケーションの追加やファームウェアのカスタマイズを行う場合には、必要に応じてさらに多くの領域が必要です。 - USB キーボード、マウス
動作確認済みの機器を参照ください
利用方法の概要
- USB HDD 又は CF にHDDイメージを展開し、HDD起動の環境を構築します
- USB VGAアダプタに対応したファームウェアとモジュールのコンパイルを行います
コンパイル済みバイナリもあります - ファームウェアの更新を行います
- モジュールの更新を行います
- X環境のプログラムをインストールします
- 利用に必要な各種設定を実行します
- 機器を接続しXを実行します
利用環境の設定
手順実行前に、CFの搭載、HDDやUSBストレージの接続を行って下さい。
また手順実行には、シリアルコンソールを用い、「root」ユーザでの操作を前提にしています。
1. HDDイメージのインストール
ユーザーズガイドの「3.5 起動方法の変更(P.18及びP.20〜)」を参照の上、HDDイメージの導入を行って下さい。
ご自身で次項のコンパイルを実施する場合は、Distribution の選択で Source や Compiler も含めて全てを選んで下さい。
2. USB VGAアダプタに対応したファームウェアとモジュールのコンパイル
USB VGAアダプタに対応したファームウェアとモジュールは標準では提供していないため、以下の手順の通りコンパイルが必要です。
なお公式リリース ファームウェア 0.4-RELEASE-20071208 (2008/03/14時点の最新) と同一のソースを利用した、コンパイル済みのファームウェアとモジュールは用意があります。
- ftp://ftp.plathome.co.jp/pub/OMS400/misc/usb2vga/0.4-RELEASE-20071208/zImage.initrd.treeboot-product
- 導入方法「flashcfg -f zImage.initrd.treeboot-product」
-
- 導入方法「tar xvzf modules.tgz -C /」
準備
# export SHELL MACHTYPE HOSTTYPE # cd /usr/src/mkdist/mtd # bmake # cd ../kernel # bmake # cd ../pcmcia-cs # bmake # cd ../e1000 # bmake # cd ../zd1211/ # bmake # cd ../madwifi/ # bmake
コンパイル
およそ5時間かかります
# cd /usr/src # bmake build_kernel WITH_X11=yes
ファームウェアの作成
ファームウェア(Image.initrd.treeboot-product)を作成します
バージョン(0.4-RELEASE-20071208)は適宜読み替えて下さい
およそ5分間かかります
# cd /usr/src/distrib/mipsel-obs1550/product/initrd # ftp ftp://ftp.plathome.co.jp/pub/OMS400/0.4-RELEASE-20071208/mipsel-obs1550.ipv6/installation/ramdisk.image-product.gz # cd ../treeboot/ # bmake
ファームウェアの更新
# cd /usr/src/distrib/mipsel-obs1550/product/treeboot/ # flashcfg -f zImage.initrd.treeboot-product
モジュールのインストール
# cd /usr/src # bmake install_kernel DESTDIR=/
3. X環境のプログラムをインストールします
X環境用のコンパイル済プログラムを導入します。
「マイクロサーバでのバイナリパッケージの利用方法」の、「HDDブート環境向け パッケージバイナリの利用方法」を参照して環境を構築して下さい。
環境が構築できたら、以下のコマンドでインストールできます。
# pkg_add xf86-usb2vga
4. 利用に必要な各種設定を実行します
以下の各ファイルに設定を追記して下さい。
/etc/modprobe.conf
modprobe.conf は、初期状態では存在しないため新規に作成します。
options sisusbvga first=1 last=2
※ tty1〜tty2をCLIコンソールとして利用する場合の例です。
/etc/inittab
1:2345:respawn:/sbin/agetty 38400 tty1 vt100 2:2345:respawn:/sbin/agetty 38400 tty2 vt100
/etc/rc.local
/sbin/modprobe sisusbvga /sbin/modprobe usbhid
/etc/X11/xog.conf
/etc/X11/ ディレクトリを作成し、Xの設定ファイルを設置して下さい。
設定サンプル: ftp://ftp.plathome.co.jp/pub/OMS400/misc/usb2vga/xorg.conf
5. 機器を接続しXを実行します
USB HDDを使用する場合の接続例
※ USB VGAアダプタは、必ずセルフパワータイプのUSB HUBに接続してください
+---------------+ +---------+ +------------------+ |OpenMicroServer|---| USB HUB |---| USB VGA アダプタ | +---------------+ +---------+ +------------------+ | +---------+ +-----| USB HDD | | +---------+ | +----------------+ +-----| USB キーボード | | +----------------+ | +------------+ +-----| USB マウス | +------------+
Xの実行
Xの実行は、キーボードから行って下さい。
# startx
標準では WindowManager として twm が起動しますが、openbox や blackboxのコンパイル済みバイナリも用意があります。
他のWindowManagerやアプリケーションの利用方法の詳細は、こちらを参照して下さい。