「最も信頼できるメーカー」として
核融合発電とは、超高温のプラズマを作り出して核融合を人工的に発生させ、そのエネルギーを電力に転化する発電方法である。燃料として水素など普遍的に存在する資源を用い、また高レベル放射性廃棄物を生じないなど、火力発電・水力発電・原子力発電といった現在の発電法に代わる未来のエネルギー源として、世界中がこの技術の実現に力を注いでいる。
こうしたなか、核融合科学研究所では、核融合プラズマに関するデータ採取のための実験が非常に頻繁に行われる。たとえば3分間周期の実験が一日に170回程度、年間にして約10,000回、そのたびに大きなデータが発生する。これらのデータ格納のために、核融合科学研究所大型ヘリカル研究部高温プラズマ物理研究系の中西秀哉博士(工学)が選択したソリューションが、ぷらっとホームオリジナルストレージのTrusRAIDシリーズであった。
3,000チャネルを超える大量の実験データを保存
LHD外観と構造(核融合科学研究所 提供)
核融合プラズマ実験は、核融合科学研究所内にある巨大な実験装置「大型ヘリカル装置」(LHD)で行われる。これは、ヘリカルコイルと呼ばれる一対の巨大なコイルを軸として様々な磁場を作り出し、装置内にプラズマを発生させることができるものである。
高さ約9m、直径13.5m、重量にして約1,500トンにもおよぶ巨大な装置であるLHDには、様々な計測機器がLHDを取り囲むように接続されている。
核融合プラズマ実験の際には、3,000チャネルを超える膨大な種類の波形データ、そして画像データなどが、実験一回ごとに発生する。それらデータはまず、LHDに接続された計測機器を通して電気的な信号として伝達され、A/D変換を経て数値化された後、70台のサーバーにたどり着き、それぞれのサーバーのローカルストレージであるRAIDに保存される。
データには、研究所内外の多くの研究者が、ネットワークを経由しアクセスする。また、データは基本的にそのまま蓄積されてゆくため、毎年大容量のストレージ増設が必要となる。
このため、導入されるRAIDシステムは、容量、速度、信頼性、毎年の増設に耐えるコストの低さ、またデータ頭出し速度など、実に様々な局面での性能の高さが求められた。
「最も信頼できるメーカー」
研究所に導入されたぷらっとホームの
オリジナルストレージとオリジナルサーバー
TrusRAIDを導入する以前は、上記の要請を満たすために、実に様々なストレージ構成が試され運用されていた。初期には,磁気テープライブラリとRAID装置を組み合わせた階層型ストレージ管理システム(HSM)も試されたが、ユーザー(研究者)がストレスを感じないだけのデータ頭出し速度と十分な耐障害性を確保するために、大容量の光(磁気)ディスクチェンジャ装置と多数のRAIDからなる二階層の分散ストレージ構成に至っている。記憶メディアも4.6GB MOから、DVD、UDO、現在は50GBブルーレイディスク(BD)へと移り変わってきている。
ストレージ環境の刷新のためには他社のソリューションも検討したが、結局中西博士はぷらっとホームオリジナルストレージを選択する。その理由として中西博士は、ソリューションの大容量さと、それに対するコストパフォーマンスの高さをあげ、更に以下のように話す。
「ぷらっとホームは、今手に入る技術や製品情報を先駆的にきっちり揃えている、最も信頼できるメーカー。ちゃんとユーザ側のニーズをとらえていると思います。... また全体的に、営業スタッフのレスポンスが非常によい。これは何ものにも代えがたいありがたさです。」(中西博士)
あらゆるニーズに応えるソリューションとして
核融合科学研究所高温プラズマ物理研究系
中西秀哉博士
現在はデータ読み出しサーバーのうちいくつかをLinux(CentOS)で運用しているが、今後は更にLinux環境への移行をすすめようと考えているという。また、ローカルストレージとして運用しているRAIDも今後は中央にまとめ、より管理のしやすいシステムを構築したいとのこと。 「今後も、ストレージ、サーバーとも、ぷらっとホームを使おうと思っています。」(中西博士)