室内の感染リスク可視化&空調・換気設備の自動制御化ソリューションに、IoTゲートウェイ「OpenBlocks IoT VX2」を採用 — 菱機工業株式会社
菱機工業株式会社 様
“快適な環境づくり”を目指し、空調・給排水設備の設計・施工から、電気工事まで幅広い事業を展開しています。
概要
菱機工業株式会社(以下、菱機工業)では、主に病院向けに室内の感染リスク(新型コロナウィルス、インフルエンザ、麻疹、結核の4種)を定量化し、感染リスクに応じて空調や換気等を自動制御する医療用監視システム「Pro Optiment(プロオプティメント)」を提供しています。
コロナ渦において病院では院内の感染リスクの低減がますます重要視されているものの、現場では通常業務に手一杯で、空調や換気等をこまめに管理する余裕がないという課題がありました。
こうした課題を解決する「Pro Optiment」について、そのシステム構成や構築にあたって弊社製品を採用した理由を菱機工業 ソリューション開発課マネージャー 蓮田 昌宏 氏(以下、蓮田氏)にお聞きしました。
医療用監視システム プロオプティメント
URL: https://www.ryokikogyo.co.jp/prooptiment/index.html
システムの構成
本システムでは最初に、屋内外センサで計測したCO2濃度のデータをクラウド(データセンター)へと中継します。クラウド側ではこれらCO2濃度に加え、Web収集した市中感染のまん延状況も加味して感染確率を算出(特許第6967329号)し、利用者に感染リスクを定量的に通知します。
また感染リスクに応じ、換気扇・空気清浄機・殺菌装置・全熱交換器等、空調換気機器を自動制御する機能も搭載しています。監視・制御信号を中継し、機能の中核に位置するのが、弊社で提供するIoTゲートウェイ「OpenBlocks IoT VX2(以下、VX2)」です。
豊富な入出力インターフェイスが採用の決め手
弊社IoTゲートウェイを採用した決め手は、豊富な入出力インターフェイスがあったからだと蓮田氏は言います。
「CO2濃度を計測するため、無線式EnOceanセンサを利用できた点がよかったです。また有線式センサを使う場面があり、一般的なアナログ信号が入力可能なリモートI/Oを接続できるIoTゲートウェイが必要でした。クラウドへのデータ送信について、設置場所やお客様の要望に合わせてSIMカード利用やお客様の回線利用など、幅広く対応できるようにしておきたかったという理由もあります。
VX2は入出力ともに様々なインタ―フェイスを持っているので、こうした課題をまとめて解消できました。」(蓮田氏)
またVX2はクラウドから設備への制御指令を中継する役目も担っており、クラウドと双方向通信を行っています。
「VX2はRS485の外部通信によりmodbusプロトコルの機器を接続できるため、クラウドからの自動制御を実現するにはうってつけの製品でした。」(蓮田氏)
自動制御で省エネ化・省人化を実現
Pro Optimentを導入した施設では、空調管理の省エネ化・省人化に一役買っていると蓮田氏は言います。
「たとえば各部屋の窓開け換気を手動で行うためには手間がかかります。だからといって換気扇を強運転で回しっ放しにすると、(冬場であれば)せっかく温度調節した熱が外に逃げてしまいます。Pro Optimentを導入すれば日中人の増減と市中感染状況に応じ自動で換気設備の運転・停止が行えるので省エネを図りつつ安心して仕事に集中できるとご好評を頂いております。」(蓮田氏)
最後に今後のPro Optimentの展望についてもお伺いしました。
「Pro Optimentは “Providing an Optimal environment” の略で、感染リスクを可視化するだけでなく、積極的に活用しお客様のビジネスに最適な環境を提供していきたい、という思いから立ち上げました。これからは病院に限らず様々な場面でご利用いただけるようなソリューションに育てたいです。」(蓮田氏)
使用製品
分類 | 製品名 | 用途 |
CO2 センサ | アイテック社 CO2-928 | ・室内の CO2 濃度を測定 |
リモートI/O | 渡辺電機工業 WMB-AI8 | ・屋外のCO2 センサから受信した測定データを、IoTゲートウェイへ送信 |
リモートI/O | 渡辺電機工業 WMB-DIO8R | ・IoTゲートウェイから受信した監視・制御信号を、各制御装置へ送信 |
IoTゲートウェイ | OpenBlocks IoT VX2 | ・ CO2 センサの測定データをクラウド(データセンター)へ中継 ・クラウド(データセンター)からの監視・制御信号の中継 |