大規模ワークブースの稼働率見える化をノーコード対応IoTゲートウェイで実現 — 株式会社 サイバーエージェント
株式会社 サイバーエージェント 様
インターネット総合サービス業として様々な事業を展開しており、メディア事業、インターネット広告事業、ゲーム事業など、インターネット産業に軸足をおいた事業展開をしています。
概要
株式会社サイバーエージェント(以下、サイバーエージェント)では東京都内のオフィスに、370台以上の多数のワークブースを設置しています。
渋谷のアベマタワーズに256台、渋谷スクランブルスクエアで114台ものワークブースがそれぞれ設置されていますが、各オフィス・各フロアそれぞれの正確な稼働率がわからず、最適な導入数なのか、また今後の導入計画が立てづらいという課題がありました。この課題を解決するIoT技術を活用したシステムの導入の経緯についてお話を伺いました。
システムの仕組み
ワークブース1台ごとに人感センサーを取り付けており、人の在否を検知。各センサーからの検知した情報はフロアごとに設置されている受信機(IoTゲートウェイ)で集約し、各ワークブースの利用状況をIoTゲートウェイからクラウドへ送信しています。
さらに、クラウド上では可視化・分析ツール”Tableau”を利用し、ワークブースごとの利用状況や、時間帯ごとや日ごとの稼働率を詳細に把握する事が可能となっています。
社内Wi-Fiに影響せず、静止検知にも対応した人感センサー
人の在否を検知する人感センサーにはオプテックス社の在席検知センサー CPD-J(WH)を利用しています。
選定の理由について株式会社サイバーエージェント グループIT推進本部 全社データ技術局 岡田 知子 氏(以下、岡田様)は次のように話してくれました。
「社内のネットワークを管理する部門からは、社内Wi-Fiに影響が出る可能性がある電波(2.4GHz帯・5GHz帯)を使うのは控えてほしいという要望がありました。CPD-J(WH)は920MHz帯のワイヤレス通信を行うEnOcean通信方式を使っていたので、配線が不要かつWi-Fiへの影響も気にする必要がなく、理想的なセンサーでしたね。」
また、リモートBOX(ワークブース)利用者は身体の動きが少なく、一般的な人感センサーを使った場合は一定時間身体の動きが静止してしまうと、人は居ないと判断してしまうこともあります。CPD-J(WH)の場合、動きのない人を継続的に検出することが可能で、これも選定ポイントの一つだと岡田様は話します。
非エンジニアでもシステム構築可能なIoTゲートウェイ
各ワークブースに取り付けられている人感センサーが検出したデータをクラウドへ送るためにはIoTゲートウェイが必要です。この機器はOpenBlocks IoT EX1を活用。EnOcean通信方式に対応しており、既に在席検知センサー CPD-J(WH)と組み合わせた導入実績が豊富である事と、Web UI操作による容易さが、IoTゲートウェイにOpenBlocks IoTを選定した理由だったと岡田様は話します。
「実は私はエンジニアではなく、社内の資産管理系の仕事がメインだったのですが、当システム導入のほとんどの作業は私の方でやることになったんです。OpenBlocks IoTはセンサーのデータの収集からクラウドへのデータ送信まで、一貫してWebブラウザ上からの視覚的な操作だけで完結したので、データ送信先のクラウドやDBの知識は必要だったものの、エンジニアではない私でも比較的簡単に構築作業が行えたのはとても助かりました。」(岡田様)
設備の導入計画が立てやすくなり、利用者の利便性向上にも期待
システムの導入後は設置フロアごとや時間帯ごとに正確なリモートBOXの稼働率が把握できるようになり、設備の導入計画を行う部門からは、どのフロアの利用頻度が高いのかを分析し、フロア毎の設置数の最適化や、今後のリモートBOXの増設計画を立てる際にも大きく役に立ったと言う声があったと岡田様は言います。また、このシステムは稼働率の把握だけではなく、リモートBOXの利用者に対しても今どのリモートBOXが空いているのかをリアルタイムで情報提供する計画があるようです 。
当システムの導入によって設備導入を行う部門には大きな導入効果がありましたが、今後は利用者の利便性向上にも期待が持てそうです。
使用製品
分類 | 製品名 | 用途 |
人感センサー | オプテックス社 CPD-J(WH) | ワークブース内の人の在否を検知 |
IoTゲートウェイ | OpenBlocks IoT EX1 | 人感センサーのデータをサーバーへ送信 |