学内DHCP/DNSサーバーを低コストで導入運用 — 東京薬科大学 情報教育研究センター

場所をとらずに、手間なく簡単に冗長化を実現

掲載日:2013/08/02

東京薬科大学 情報教育研究センター 様

組織概要

1880年に東京薬舗学校として創立した、日本で最初の私立薬学教育機関。「ヒューマニズムの精神に基づいて、視野の広い、心豊かな人材を育成し、薬学並びに生命科学の領域にて、人類の福祉と世界の平和に貢献します。花咲け、薬学・生命科学」を大学の理念として掲げ、多くの優れた人材を世に送り出し続けている。 薬学部の他、1994年設立の生命科学部があり、学生数は3,853名(2013年5月1日現在、大学院含む)。

課題と効果

導入前の課題   導入効果
セキュリティや運用などの問題から、各種サーバーを独立・分散させたいがコストも抑えたい 用途を絞って価格を抑えたアプライアンスで、必要な機能を低コストで導入可能
冗長化が必要だが構築にコストがかかり、自分で作るのは難しい Active-Active方式の冗長化ができ、スタンバイサーバが不要なため、最低限の手間とコストで構築可能

運用管理やセキュリティのために各種サーバーを独立

東京薬科大学では1992年より学内ネットワークの構築を開始し、学生に対しITの積極的な利用を推奨してきた。現在では、学生全員にノートパソコンの所有を義務付けている他、eラーニングの実施に必要な学習管理システムの活用なども行っている。このように学内ネットワークが欠かせない同大学では、サーバーの負荷が大きくなりすぎてしまうのを避けるなどの理由から、学部や部署ごとに独立・分散させて運用を行っている。

この学内ネットワークの中で、学校全体の無線LANおよびコンピュータを利用した全国統一試験を受けるための部屋であるCBT(Computer Based Test)ルームのDHCP/DNS/NTPサーバーとして採用されたのがEasyBlocks Enterpriseである。

EasyBlocks Enterprise

必要な機能を低コストで導入可能なアプライアンス

従来、これらのサービスはUNIXサーバーで運用していたが、堅牢性やコストなど、いくつかの問題が出てきたため、各機能を独立して運用する方針に転換した。そこで目にしたのが、EasyBlocks Enterpriseだったという。
「ぷらっとホームの製品は知っており、本学でも使用していました。Webサイトを見て3000台の端末に対応するEnterprise版が出ているのを知り、導入を検討しました。」(東京薬科大学 薬学部 准教授 情報教育研究センター 小杉義幸氏)

「DHCPとDNSは相性がいいですし、それにプラスしてNTPまでワンパックになっているものを必要な場所に置いて使う方が、使い勝手がいいのではないかと考えました。その上、費用も安くすみます。」(同大学 生命科学部 講師 生命物理科学研究室 森河良太氏)

ファンレス、ディスクレスなのも良かったと森河氏は言う。サーバールームに置いてあるため人の出入りがそうあるわけではないが、埃は防ぎきれない。「そういうところにハードディスクが入ったサーバーを置いて24時間ずっと動かすのは難しいですし、故障の原因にもなります。なるべくハードディスクの載っていないものを置きたいと思っていました。」

それまで使っていたサーバーは19インチのラックの前から奥まで思いっきり埋まっていた。「それをとってEasyBlocks Enterpriseを2台入れたのですが、恐ろしく小さかったですね。正直大丈夫なのかなと思いました。」(同大学 情報教育研究センター センター長・教授 土橋朗氏)

稼働中の2台のEasyBlocks
(左から) 東京薬科大学 薬学部 助手 情報教育研究センター 倉田香織氏、東京薬科大学 生命科学部 講師 生命物理科学研究室 森河良太氏、東京薬科大学 薬学部 准教授 情報教育研究センター 小杉義幸氏、東京薬科大学 情報教育研究センター センター長・教授 土橋朗氏

手間のない冗長化構成で堅牢性の高いサービスを実現

導入されたEasyBlocks Enterpriseは4台で、無線LANとCBTルーム用に2台ずつ冗長構成で使用されており、各々DHCP/DNS/NTPサービスを動かしている。EasyBlocks EnterpriseはActive-Activeの冗長構成を自動的に構成する機能を持つため、同一ネットワーク上に複数台設置した場合にはすべてが稼働し、スタンバイ用のノードを用意する必要もない。Webインターフェースからの簡単な初期設定のみで冗長構成での運用をスタートすることができる。「冗長化がきわめて容易であるということ。これがとても大事なことでした。」(土橋氏)

当初は他社のサーバーも検討されたが、冗長化に工数やコストがかかり、結果的に割高になってしまった。「冗長化はサーバーで作るのが難しく、うまく作れなかったりしますし、依頼するとなるとコストの問題も出てきます。ぷらっとホームのウェブサイトを見たら簡単にできると書いてあったのでいい製品だなと思いました。」(同大学 薬学部 助手 情報教育研究センター 倉田香織氏)

(左から) 東京薬科大学 生命科学部 助教 情報処理教育センター 宮川毅氏、東京薬科大学 業務部 情報システム課 主任 野本聡氏

もともとUNIXのサーバーを使用していたこともあり、アプライアンスは勝手が違うため、設定では戸惑いもあったが、稼働開始後には問題は発生していない。「DHCP/DNSのサーバーとして十分機能していますし、無線LANと有線の認証関係も全部含めて順調に動いています。」(同大学 生命科学部 助教 情報教育研究センター 宮川毅氏)

手間なく低コストで高信頼のサービスを導入でき、結果については非常に満足しているという。東京薬科大学では今後も現在稼働中のDHCP/DNSサーバーの更新や、無線LANの増強に合わせた追加などでEasyBlocks Enterpriseの使用を検討していくという。

【2013年9月に教育3号館(約320席分)、教育4号館(約950席分)、教育5号館(約2000席分)のノートPC接続用DHCP/DNSサーバーとして4台増設予定】