SSD/Linux - User's Guide
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0. はじめに
SSD/Linux の SSD とは、BSD (Berkeley Software Distribution) にならい、開発場所である外神田 (Sotokanda) を冠した名称です。 名称が示す通り Linux でありながら BSD 的な作法を取り入れたディストリビューションです。 SSD/Linux はデスクトップ・ユーザ向けに作られたものではなく、小規模サーバ用途、もしくはマイクロサーバシリーズ (OpenMicroServer, OpenBlockS266) のカスタマイズ (オリジナルのファームウェアや CF イメージの作成) を目指すシステム・インテグレータ向けに作られたものです。
主な特長
- サーバ用途を主体とし、必要かつ十分なバイナリに留めたコンパクトな設計
- i386 上でマイクロサーバシリーズ版のクロス・ビルドが可能
- *BSD 風な設定、主だった設定は /etc/rc.conf で可能
- IPv6 (USAGI IPv6 Protocol stack) 対応
- *BSD 風に `bmake build’、`bmake release’ できるソース・ツリー
1. ライセンス
Copyright (c) 2002-2007 Plat'Home CO., LTD. <support@plathome.co.jp>. All rights reserved. Conditions and the no-warranty notice below apply to this software except software which has its own conditions and the no-warranty notice. Redistribution and use in source and binary forms, with or without modification, are permitted provided that the following conditions are met: 1. Redistributions of source code must retain the above copyright notice, this list of conditions and the following disclaimer. 2. Redistributions in binary form must reproduce the above copyright notice, this list of conditions and the following disclaimer in the documentation and/or other materials provided with the distribution. 3. The name of the author may not be used to endorse or promote products derived from this software without specific prior written permission. THIS SOFTWARE IS PROVIDED BY THE AUTHOR ``AS IS'' AND ANY EXPRESS OR IMPLIED WARRANTIES, INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, THE IMPLIED WARRANTIES OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE ARE DISCLAIMED. IN NO EVENT SHALL THE AUTHOR BE LIABLE FOR ANY DIRECT, INDIRECT, INCIDENTAL, SPECIAL, EXEMPLARY, OR CONSEQUENTIAL DAMAGES (INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, PROCUREMENT OF SUBSTITUTE GOODS OR SERVICES; LOSS OF USE, DATA, OR PROFITS; OR BUSINESS INTERRUPTION) HOWEVER CAUSED AND ON ANY THEORY OF LIABILITY, WHETHER IN CONTRACT, STRICT LIABILITY, OR TORT (INCLUDING NEGLIGENCE OR OTHERWISE) ARISING IN ANY WAY OUT OF THE USE OF THIS SOFTWARE, EVEN IF ADVISED OF THE POSSIBILITY OF SUCH DAMAGE.
2. サポート
SSD/Linux は単体で販売しておりません。 お問い合わせは support@plathome.co.jp までお願いいたします。 弊社のサポートするハートウェア以外にインストールしてお使いになる場合は、自己責任の範囲内にてご利用ください。
3. 仕様
3.1. 動作環境
PC/AT 互換機
- Intel i486 以上の CPU
- メモリー 8MB 以上
- HDD 350MB 以上
- VGA 互換ビデオ・カード
マイクロサーバシリーズ (OpenMicroServer, OpenBlockS266)
- CF/HDD 350MB以上
3.2. 主要なソフトウェア
0.4-current
- kernel 2.6.16 + usagi-stable-release 6
- glibc 2.3.6
- gcc 4.1.2
0.3-STABLE
- kernel 2.4.26 + usagi-stable-release 5
- glibc 2.3.3
- gcc 3.3.4
4. インストール
4.1. PC/AT 互換機へのインストール
PC/AT 互換機へのインストールは、次の手順で行います。
- 4.1.1. CDROM もしくは FD からブート
- 4.1.2. fdisk(8) によりディスク・パーティションを設定
- 4.1.3. sysinst(8) を実行
sysinst(8) においてインストール・メディアとして CDROM もしくは FTP サーバのいずれかを選択することができます。 説明の都合上、前者を CDROM インストール、後者をネットワーク・インストールと呼ぶものとします。
4.1.1. ブート
4.1.1.1. CDROM を用いる場合
CDROM からブートさせる場合は、こちらから ISO イメージを入手して下さい。 CDROM からブートすると GRUB ブート・ローダーがロードされ、次のようなメニューが表示されます。 `Boot from CD’ が選択されていることを確認し [RETURN] キーを入力すると、カーネルとルート・ファイル・システムのロードが行われ SSD/Linux が起動されます。
GRUB version 0.97 ( 638K lower / 261111K upper memory ) SSD/Linux Ver.0.4 kernel 2.6.16 Install Boot from CD SSD/Linux Ver.0.4 kernel 2.6.16 Install Boot from floppy SSD/Linux Ver.0.4 kernel 2.6.16 Install Boot from net Use the ↑ and ↓ keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line.
4.1.1.2. FD を用いる場合
FD からブートさせる場合は、次の 2 枚の FD イメージを用います。
インストール FD を作るには Windows ならば FD をフォーマットし、rawrite.exe プログラムを使います。 (ftp://ftp.netbsd.org/pub/NetBSD/NetBSD-<version>/i386/installation/misc/ またはミラー・サイトから取得してください。) Linux ならば dd コマンドを使います。
# dd if=boot.fs of=/dev/fd0 bs=36b
boot.fs からブートすると GRUB ブート・ローダーがロードされ、次のようなメニューが表示されます。 `Boot from floppy’ が選択されていることを確認し [RETURN] キーを入力すると、カーネルのロードが開始されます。
GRUB version 0.97 ( 638K lower / 261111K upper memory ) SSD/Linux Ver.0.4 kernel 2.6.16 Install Boot from CD SSD/Linux Ver.0.4 kernel 2.6.16 Install Boot from floppy SSD/Linux Ver.0.4 kernel 2.6.16 Install Boot from net Use the ↑ and ↓ keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line.
カーネルのロードが完了すると次のように FD の交換をうながすメッセージが表示されます。 FD を ints.fs に挿し換え [RETURN] キーを入力すると、ルート・ファイル・システムのロードが行われ SSD/Linux が起動されます。
Insert instfs floppy disk and type any key.
4.1.1.3. ログイン
ログイン名 `root’ でログインします。 パスワードは設定されていません。([RETURN]キー入力のみ。)
SSD/Linux Ver.0.4 kernel 2.6.16 Install instruction Step.1 Login 'root'. Step.2 Run 'fdisk' and setup disk partition. Step.3 Run 'sysinst' login: root Password:
4.1.2. fdisk(8) によるパーティションの設定
fdisk(8) を起動しパーティションを設定します。 fdisk(8) の使い方については、マニュアル・ページ等を参照にしてください。
4.1.3. sysinst(8) の実行
sysinst(8) を起動し、メニューにしたがいインストールを進めます。 sysinst(8) については、「sysinst(8) の使い方」を参照してください。
4.2. マイクロサーバシリーズへのインストール
マイクロサーバシリーズへ (OpenMicroServer, OpenBlockS266) のインストールは、次の手順で行います。
- 4.2.1. ブート
- 4.2.2. ネットワーク・インタフェースの設定
- 4.2.3. fdisk(8) によりディスク・パーティションを設定
- 4.2.4. sysinst(8) の実行
- 4.2.5. ルート・デバイスの変更
4.2.1. ブート
INIT ボタンを LED 表示が `1’ を示すまで押しながら電源を入れ工場出荷状態としてブートさせてください。
4.2.2.1. ログイン
ログイン名 `root’ でログインします。 初期パスワードは `root’です。
Thu Jul 11 18:35:07 ssd-linux login: root Password:
次のコマンドを実行して FlashROM に保存された設定を消去します。
# flashcfg -d
4.2.2. ネットワーク・インタフェースの設定
SSD/Linux の設定ファイル類は NetBSD のものを模倣して作られています。 ネットワークインタフェースを利用するために最低限、次の 3 つのファイルを vi(1) で編集し、flashcfg(8) で設定を保存した後、リブートします。
/etc/ifconfig.eth0
ifconfig(8) に与えるパラメータ(コマンド引数)を記述します。
inet 192.168.253.254 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.253.255
/etc/mygate
デフォルトルートを記述します。
192.168.253.1
/etc/resolv.conf
DNS の情報を記載します。
nameserver 192.168.253.10
もちろん、以下のように ifconfig(8) もしくは route(8) を用い手動で設定しても構いません。
# ifconfig eth0 inet 192.168.253.254 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.253.255 # route add default gw 192.168.253.1 netmask 0.0.0.0 metric 1 # echo nameserver 192.168.253.10 > /etc/resolv.conf
もし、DHCP を利用するのであれば、/etc/rc.conf に
dhclient=YES dhclient_flags="eth0"
と記述して flashcfg(8) で設定を保存した後、リブートするか、
# dhclient eth0
として手動で dhclient(8) を実行し、ネットワークの設定を DHCP サーバから取得します.
4.2.3. fdisk(8) によるパーティションの設定
fdisk(8) を起動しパーティションを設定します。 fdisk(8) の使い方については、マニュアル・ページ等を参照にしてください。
4.2.4. sysinst(8) の実行
sysinst(8) を起動し、メニューにしたがいインストールを進めます。 sysinst(8) については、「sysinst(8)の使い方」を参照してください。
4.2.5. ルート・デバイスの変更
flashcfg(8) を用いて、ルート・デバイスを initrd から <デバイス名> (hda1, sda1, ...) へ変更します。
# flashcfg -c <デバイス名>
5. 各種設定
SSD/Linux の (/etc/rc 等の) 起動スクリプトは NetBSD 1.4 のものを模倣して作られています。 ただし、Linux 仕様の init(8) を実装していますので、最初に読み込まれるシェル・スクリプトは /etc/rc ではなく /etc/inittab の記述にしたがい /etc/rc.sysinit となります。
/etc/rc.conf
SSD/Linux におけるネットワークやブート時に起動されるデーモンの選択等は NetBSD もしくは FreeBSD と同様に /etc/rc.conf で設定します。 ネットワーク・インタフェースとデフォルト・ルート、ホスト名については、次のように記述します。
ifconfig_eth0="inet 192.168.253.254 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.253.255" defaultroute="192.168.253.1" hostname="ssdlinux"
これらのパメータについては、/etc/rc.conf に記述する代わりに次のファイルに記述して設定することもできます。
/etc/ifconfig.ethN
ifconfig(8) に与えるパラメータ(コマンド引数)を記述します。 /etc/ifconfig.eth0 が eth0 用、/etc/ifconfig.eth1 が eth1 用、以下同様です。
inet 192.168.253.254 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.253.255
/etc/myname
ホスト名を記述します。
ssdlinux
/etc/mygate
デフォルト・ルートを記述します。
192.168.253.1
/etc/rc.conf において、`do_contrib_rc=YES’ と設定すると、/usr/contrib/etc 以下の rc.local、netstart.local が実行されます。 これは、マイクロサーバシリーズの WEB セットアップツールまたはシリアルセットアップツールとの互換性を保つためのものです。
その他、設定可能なパラメータについては /etc/defaults/rc.conf に記載されているデフォル値を参照してください。
/etc/inetd.conf
SSD/Linux の inetd(8) には libwrap が組み込まれています。 アクセス制限は /etc/hosts.allow もしくは /etc/hosts.deny で行います。
/etc/mail/sendmail.cf
/usr/share/sendmail/cf/cf において m4 マクロより .cf を作成を作成する場合、次に示すように OSTYPE は、linux ではなく ssdlinux を指定してください。
divert(-1) divert(0)dnl VERSIONID(`$Id: users.html,v 1.27 2004/08/28 06:24:15 yamagata Exp $') OSTYPE(ssdlinux)dnl DOMAIN(generic)dnl FEATURE(`mailertable', ` hash /etc/mail/mailertable') FEATURE(`access_db', ` hash -T<TMPF> /etc/mail/access') FEATURE(`no_default_msa') DAEMON_OPTIONS(`Name=MTA-v6, Family=inet6, address=::') MAILER(local)dnl