★PSDS-32P/2N

概要
クラウド技術の応用で高い柔軟性と事業継続性を確保する スケールアウト型分散ストレージシステム
CloudStation dSSは、ストレージエンジン「dSS engine™」 (= distributed Storage System) を組み込んでおり、複数のストレージサーバーをクラスタ化することで、一つの巨大なストレージプールを構成します。
保存されるデータファイルは、クラスタノード間でレプリカを持ち合い、ノード単位の障害発生時にもファイルサービスを止める事なく運用可能です。
そしてノード数に応じた高速なファイルサービスを実現するため、人気コンテンツの集中し易いWebクラスタや動画配信クラスタへのファイルサービスにおいて、遅延の少ない快適な共有ストレージ環境を提供します。

用途
柔軟・高耐障害性・高スループットであることから、CloudStation dSSは、動画配信システムやバックアップストレージ、Webサービスなど、アプリケーションによるファイルのシーケンシャルな入力・出力が発生する用途で高い導入効果を発揮します。
動画配信などの用途には、メモリを24GBまで増設することにより、さらにパフォーマンスの高い運用も可能です。

特長
マスターノードが存在しない高冗長性
共有可能なストレージの多くは、ファイルのオープンクローズ管理のために、必ずマスターとなるノードが存在します。
したがって、このマスターノードが何らかの故障を起こすとサービスを停止してしまいます。
冗長性を確保するためにフェイルオーバー用のサブマスターを配置する方法もありますが、最低限の代替処理の時間が必要になります。
CloudStation dSSでは、全てのノードが同じデータベースを持ち、同じ処理プロセスが動作しているため、マスターが存在せず、どのノードが故障してもサービスを停止する事がありません。

アクセスインターフェース
CloudStation dSSの構成するストレージプールへアクセスするには三つの方法があります。いずれもクライアントへ専用ソフトウェアをインストールして使います。

- C言語用API
CloudStation dSSを最も高速でアクセス可能なC言語用ライブラリを提供しています。 - 専用コマンド
操作性としてはFTPに似たファイルのGET/PUTコマンドを利用できます。 - Fuseによるシステムボリュームへのマウント
一般のファイルシステムのように利用可能になります。
この場合、ファイル保存キーは全て「パス名」と「ファイル名」の組み合わせによって保存されます。
キーバリュー型のファイル管理
従来型のストレージは「パス名」と「ファイル名」を組み合わせた形式で保存を行うため、どうしてもディレクトリに分けた形でデータファイルを置かなければなりませんでした。しかし保存するファイル数が少ないうちなら管理も容易ですが1000万ファイルを超えて探すとなると従来型の「パス名」を含めファイルの配置を整理して行く事は大変難しくなります。
CloudStation dSSは、巨大なストレージプールを管理し易くするために、データファイルの保存名にキーバリュー方式をとっており、約1500バイトの任意の文字列をキーとして利用可能です。もちろん文字には漢字なども含めた文書をキーとする事も可能です。
また、従来型の「パス名」と「ファイル名」の組み合わせをそのままキーとして利用も可能です。
レプリケーション機能
保存されるデータファイルは、ファイル単位でクラスタ内の空き領域の大きいノードに保存されます。
またクライアントからの保存命令の終了と同時に他ノードへレプリケーションを開始します。
レプリケーション数の設定は任意で3と設定されれば、オリジナルを含めてクラスタ内のノードの3つへ保存されます。
このレプリケーション数は常時監視されており、もし保存先のノードのどれかに障害があった場合は、不足した分のレプリケーションを正常な他のノードに作成します。
容易なシステム構築
クラスタの場合だと、システム構築のためには、様々な調整による全体のパフォーマンス向上が必要です。
しかしCloudStation dSSなら、ハードウェア的なパフォーマンスやネットワークパフォーマンス・各ノードの接続状況を認識し、自己調整が行われるため、システム構築時はIPアドレスとライセンス登録のみで即運用可能です。
それらのハードウェア環境も常に監視しており、その環境変化にあわせて自己調整され、最適なパフォーマンスを維持します。

必要な時、必要なだけの増設
従来のストレージシステムの場合、将来の拡張を計画した上で、導入しなければ後で増設できなかったなどのトラブルがあります。
これを避けるために、例えば5年計画で使う予定のストレージ容量を初年度から導入しておくケースが多くありました。このケースだと、毎年20%ずつストレージを増設していけば無駄な電力消費も抑えられたはずです。
CloudStation dSSの場合は、必要な時、必要な分のノードをクラスタ内に接続するだけです。追加されたノードは、その時点で活性状態のノードから情報を得て自己調整し、自動的にクラスタへ参加しストレージプールの容量を拡張します。
フェイルオーバーとロードバランス
CloudStation dSSへは専用クライアントソフトによってアクセスしますが、問合せ先のノードに異常がある時、クラスタ内の正常なノードへ処理をフェイルオーバーします。
また、一回の処理が行われる度にノードの負荷状況がチェックされ、処理の少ないノードへ問合せ先を切り替えていきます。
なお問合せ先にデータファイルが保存されていない場合、問合せ先ノードが処理をホップし中継処理を行うか、または、クライアントに保存先のノードを通知し直接取りに行かせるかの、どちらかを選択できます。
人気コンテンツのキャッシュ処理
クライアントからリクエストをされたデータファイルが自ノードに無い場合、保存先ノードからデータファイル得て中継しますが、この時、同時にローカルストレージにキャッシュされます。
したがってアクセス集中しやすい人気コンテンツのデータファイルは、最終的に全てのノードがその供給元となります。
もちろんデータファイルの更新はリアルタイムに監視されるので、更新が起こればキャッシュから排除されます。
グラフィカルな監視・管理
クラスタの監視・管理をPCのWEBブラウザから行うことができます。ストレージ容量、保存バランス、負荷状況などを一目で把握できる、わかりやすい設計が採用されています。
障害発生時のエラーログチェックや、手動による障害復旧オペレーションなども一元化できます。
自動ファイルメンテナンス
長期にわたってアクセスされないファイルを、ある時に読み込もうとしたら読めなくなっていたと言うトラブルは最も多い障害事例です。
CloudStation dSSでは、保存しているファイルを定期的に読み込みチェックしており、エラーがあれば正常なレプリケーション先からデータファイルを取り込み上書きによるリフレッシュを行います。